【ジョン王とマグナカルタ】

　ザンギー・アッディーンの息子ヌール・アッディーンは、1154年にダマスクスを併合シリア内陸部を支配下に入れた。第一回十字軍で建国されたエルサレム王国は、サラディン(サラーフ・アッディーン）による攻撃で滅亡寸前まで侵攻され、エルサレムはイスラム教徒の手に
落ちた。サラディンは彼の甥にあたる。
　サラディン　1169年エジプトの実験を掌握し、1171年エジプト・ファーティマ
朝カリフ・アル・アーディド没、名実ともにエジプトのカリフとなる。
　1174年ヌール・アッディーン死亡にともないサラディンはエジプトを出て
北上しダマススクを占領、1183年にはアレッポも占領した。
　次に1183年から、サラディンはエルサレム王国の攻略に着手する。
　エルサレムの北方、ヨルダン川の上流？にティベリアス湖がある。この湖の
西側、ハッティーンでエルサレム軍とサラディン軍の戦闘は開始された。
1187年7月4日のことであった。
　この戦闘でエルサレム国王であったギー・ド・リュジャニンは捕虜となった。
　10月2日には遂にエルサレムも陥落した。
　ハッティーンの西側で海岸に面したアッコンという港も占領された。
　そして今のベイルートとアッコンの中間にティルスという町があった。
　この町もサラディンに包囲されていたが、降伏瀬戸際にコンラード・デル・
モンフェラート（シビルさんの夫の弟）が防衛に加わり、サラディンの攻撃を
はねのけた。孤立無援にはなったが、ティルスはキリスト教諸国に残された中東で
唯一の拠点となった。
　教皇ウルバヌス三世は第二回十字軍敗戦のショックで亡くなり、グレゴリウス
八世があとを継いだ。