2015.08.28
ξ
匸P　　コーヒーブレイク　

　　　　　韓国人が暴く　黒韓史
　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　シンシアリー著　　扶桑社新書 　2015.03.15
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　過激なタイトルだが、歴代韓国大統領と国民感情を皮肉って描いた本だ。
　昨年はセウォル号沈没事故対応のまずさ、今年はMERS感染拡大と景気の低迷で
大統領支持率は29％まで低下している。それでも５年の任期は2017年まで続く。
　手詰まり感から抜け出すため、韓国はようやく対日関係改善に動きはじめた。
　韓国が今の大統領制になったのは、それほど遠い昔ではない。
　1987年10月全斗煥大統領の末期に改憲された第九次憲法以降のことだ。
　改憲はこれが最後で、選挙制度は五年単任で定着したが、肝心の大統領は
その地位に相応しい職責を果たして来たとは言い難い。
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　1979年10月、朴正煕大統領が射殺された直後、12月に行なわれた間接選挙で
崔圭夏大統領が選出された。この時の民主化の兆しは、12月12日全斗煥による
粛軍クーデターによりつぶされ、権力は再び軍に掌握された。
　1980年5月17日全斗煥は全国に戒厳令を布告し、野党指導者の金大中、金泳三
らを逮捕、芽生えたばかりの民主化勢力を徹底排除した。
　これに怒った全羅南道光州市(金大中らの地元)で民衆の大暴動が起きた。
　この5.18民主化運動は、政府が動員した軍隊により10日ほどで鎮圧された。
　続く8月の間接選挙で全斗煥は第11代大統領となり２期８年間重要な時期を
乗り切った。1988年のソウルオリッピックを控えた時代であった。
　この人が戦後始めて日本を訪問したことや克日をスローガンに日韓友好に
熱心であったことが、韓国民のその後の対日感情に完全に裏目となった。
　全斗煥は不正蓄財が発覚し、1988年2月公職辞任を余儀なくされた。
　彼の時代に起きた暗黒の歴史が最近話題になっているという。
　ソウルオリンピックを前にソウル市内のホームレス一掃作戦が行なわれた。
　「兄弟福祉園」事件といい、2013年に訴状がだされ現在も係争中らしい。
　この施設は1975年に釜山に設けられ、韓国のアウシュビッツと呼ぶ者がいる
くらいひどい施設であったようだ。
　1992年に閉鎖されるまでホームレスらしき者を含め3500〜3900人が強制的に
連行収容され、その内およそ500人の死亡が確認されている。
　1987年に35人が脱出するまで、施設の存在さえ知られず、明るみに出てからも
真相はうやむやのままだという。

　順当であれば全斗煥のあとは野党政権に移行するはずだった。
　しかし1987年11月29日、大韓航空機爆破事件が勃発した。ソウルオリンピック
阻止が目的と言われる。生き残った日本人名蜂谷真由美（金賢姫）の逮捕後、
犯行は北の工作員によるものと判明した。
　世論は一気に反共モードに包まれ、その直後に大統領選挙が控えていた。
　だがこのチャンスに野党は候補を絞ることができなかった。金泳三と金大中は
共に敗北し、全斗煥の盟友で与党候補の盧泰愚が第13代大統領に選ばれた。
　この人も天皇陛下即位を祝い日本を訪問し日韓友好を進めた大統領であった。
　1990年5月24日、天皇陛下は歓迎晩餐会の席で昭和天皇のお言葉に触れ、自らも
我が国によってもたらされた不幸な過去に痛惜の念を禁じ得ませんと述べられ、
それを受けた盧泰愚大統領は、暗い時代は相対的に短い期間でありいつまでも
過去に束縛されることなく、誠意と信頼に基づいて共に努力すれば未来は限り
なく明るくなるにちがいとお礼の言葉を述べられた。
　日本の国会でも同趣旨の演説を行い、両国の友好は頂点にあった。
　この流れに危機感を感じた左派は、にわかに日韓友好の妨害に突っ走った。
　慰安婦問題が急浮上したのだ。韓国左派の動きに同調する日本のマスコミが
吉田清治の8年前の偽証を軸に火に油を注いだ。中でも朝日新聞に吉田の新証言が
掲載され韓国民の怒りは爆発した。(2014年記事取り消し謝罪）
　1990年6月19日、朝刊（大阪本社版）社会面（26面）
「名簿を私は焼いた」「知事の命令で証拠隠滅」「元動員部長証言」
　(※2014年12月22日、朝日新聞社第三者委員会報告書より）
　どうして吉田清治の嘘が見抜けなかったのか？両国左派の罪は重い。

　1991年連続テレビドラマ「黎明の瞳」が訪映され反日国民感情がいやが上
にも燃え上がった。韓国民は1965年の日韓基本条約を認めないと言い出した。
　喉元すぎれば熱さを忘れると言うが、朴正煕政権が必死で交渉し、当時は
まだ貧しかった日本からあれほどの賠償・援助金を引き出し、工業化に成功
したにもかかわらず、今の韓国は（自力で）努力し漢江の奇跡を達成したかの
ように子供たちに教えている。以下は2007年版小学校歴史教科書の記述だ。
　「1960年代には貧困から抜け出して豊かに暮らすための努力が本格的に重ね
られた。貧困から抜け出すための政府の政策は、まず工業を中心に産業を
おこし、輸出をたくさん行なって国家経済を豊で強くすることだった」
　　　　　（「韓国の小学校歴史教科書」　三橋広夫訳　276頁）
　相次ぐ反日の大ブーイングに後押しされ、1992年の大統領選では金泳三が
当選し第14代大統領となった。与野党共同推薦で当選した彼は、大統領に就任
するとたちまちかつての与党を攻撃する裏切りに転じた。
　1993年、過去に遡っての反日処罰推進法案を作り始めた。
　1993年8月、旧朝鮮総督府の解体を決定し95年に解体が行なわれた。
　また風水にもとづく鉄杭除去運動も行なった。日本人が山々に鉄杭を打ち
込んだため壇君以来半万年の国に流れる精気が断ち切られ、韓国民は精気を
失い日帝の支配に屈してしまった。その精気を回復するため山々の鉄杭を除去
するという国家事業が行なわれたのだ。
　ちなみに壇君は伝説の天孫で紀元前2333年に即位したとされる。壇紀は年号と
して1962年まで使われていた。
　さらに金泳三は、全斗煥、盧泰愚を粛軍クーデター（1979年12月12日）による
内乱の罪に問い死刑判決を下し、日韓友好派を全否定した。（後に赦免）
　国を発展に導いた人々は親日家が多かった。彼らを犯罪者にしたてることに
血道をあげた金泳三政権は、やがて経済的に破綻し国家破産直前の最悪の事態を
迎えることになる。
　1997年末アジア通貨危機、金融恐慌によって韓国中央銀行はデフォルト寸前
まで追い込まれた。この時日本は、ＩＭＦと協力して欧米の関係各国を相手に
債務返済繰り延べ（リスケジューリング）交渉を進め、邦銀の返済繰り延べ
合意を真っ先に取り付け妥結に導きようやくのことで韓国ウォンを救済した。
　韓国の小学校歴史教科書は、この危機の原因と責任を他人事のように触れ、
日本の献身的な支援があったことは無視している。
　続く1997年12月当選の第15代金大中大統領は、反日にさらなる勢いを付けた。
　左派政権はこの後も続き、2009年に任期を終えた第16代盧武鉉大統領まで、
1992年からの15年間は、意図的に反日を政権維持エネルギーにしていた。
　また司法を預かる裁判所も同様だ。日本から盗み持ち帰った高麗時代の仏像や
経典を韓国に所有権ありと認める判決が現に機能している。

　言論統制も厳しく日帝時代を好評価した書物は有害図書に指定される。
　当時も今も韓国では国民感情が何よりも優位となり、感情が政府を突き上げ
首相を何人も首にする事態が続いている。知日大学教授も袋叩きにされる。
（※今の韓国では親日は犯罪なので、知日は犯罪予備軍と見なされる）
　2002年2月28日、韓国国会の「民族精気を立てる国会議員の会」は、親日派
708名の名簿を公表した。このリストは1948年に制定された「反民族行為処罰
法」に基づき作成されたもので、54年の歳月を経て反日の合法的根拠として
引っ張りだされてきた。基本的人権、言論の自由はどこへ消えたのだろう。
　2005年に親日人名辞典編纂委員会や民族問題研究所が親日派一次名簿として
発表した3090人の中には朴正煕大統領の名まで入っていた。
　さらに2009年まで三次に渡り大韓帝国時代(1897〜1910）の親日派名簿1005人が
追加発表された。
　祖国の功労者の多くが親日で処罰され、子孫までもが攻撃されている。
　親日と反民族は同義で反国家主義者すなわち国の敵になる。
　上記の親日人名辞典はソウル市内の中・高等学校図書館に公的資金を使って
配布設置されている。筆者が匿名でしか本を書けない事情が良く分かる。
　名簿のさらに上を行く極め付きの法律もこの時代に制定された。
　2003年8月14日、国会議員155人が「日帝強占下親日反民族行為真相究明に
関する特別法」を発議し、2004年に「親日」の用語のみを外した「日帝強占下
反民族行為真相究明に関する特別法」が可決された。
　2005年には「親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法」が成立した。
　この法律は日露戦争から1945年8月15日までに親日行為で蓄財された財産に
ついて国に帰属させると決定したものだ。俗に「親日財産没収法」と呼ぶそう
だが、法による国家の無法はここまで病的に進んでいる。
　中流家庭の親世代は親日家が多く、その子孫はこの法の対象にされ財産を
没収されるリスクを負う。だが国外にいた盗賊まがいの独立運動家の子孫は、
まるで安全なのだから理不尽と言うしかない。
　これらの法に基づいて政府と民間団体で結成された団体もある。
　「韓日国交正常化文書公開対策官民共同委員会」といい、彼らは「慰安婦、
サハリン同胞、原爆被害」などの三つには日本に法的責任が残っていると公式に
主張している。

　韓国最後の李王朝は高麗王朝を裏切り、明の力を借りて高麗を滅ぼし、その
王族である王氏一族を皆殺しにして国を奪った。
　世界に誇れる韓国の文化遺産はことごとく高麗時代に作られたと言っても
過言ではない。その大切な文化財を破壊し仏教を追放した李氏朝鮮が彼らの
最後の王朝であり、その貴族（両班）が亡国のふちまで韓国を衰退させた。
　ドラマで描かれるような華麗な衣服や建物は実際には存在せず、ハングルは
低く見られ貴族（両班）は漢字のみを使い、国土は荒れ果て、王族と妃の一族が
権力を争い私腹をこやす時代が続いていた。
　李氏朝鮮は、明が滅び清の時代になると、今度は清の属国の地位に甘んじる。
　19世紀末、清が衰え、日本が台頭し、ロシアが三国干渉を足掛かりに遼東
半島に進出してくると、この３国いづれに付くのが得策かを巡り、王族同士で
互いにつぶしあい、強い者になびき、右顧左眄を繰り返した。
　1894年3月28日、閔妃が派遣した刺客に殺害された金玉均はその死体を八つ裂き
にされ首を河原にさられれた。日本に亡命した革命家たちの悲劇を見るにつけ、
日本人は義侠心に燃えお隣の国を改革したくてたまらなくなったようだ。
　1895年10月8日に閔妃が暗殺された。日本人が関与し暗殺の手助けをした。
　1905年日露戦争に勝利した日本は日韓保護条約を結び韓国を保護国にして
その外交権を取り上げた。
　1909年10月、韓国に好意的だった伊藤博文を、韓国のテロリストが射殺した。
　初代総理を殺害された日本人の怒りは容易に想像できる。
　1910年日本は韓国を併合し当初は武断政治を進めたが、1919年の三一運動で
韓国民の反感を買う力による支配を反省した。齋藤実総督の就任以降は文民
政治に徹し殖産振興に努め成果をあげた。はげ山は緑にうるおい、農作物収入も
増え人口は増大した。小学校も充実し識字率は飛躍的に向上した。
　1934年東亜日報に連載された姜敬愛の恋愛小説「人間問題」では美しい地方の
自然や日本の農業指導、ソウルの百貨店の華やかな様子などが描かれている。
　だが韓国民は繁栄の史実を認めず、悲惨な支配下で起きた様々な暗黒の事例を
掘り起こし、賠償を主体とする謝罪を求め日本に迫っている。
　両国の見解は180度違う。韓国はテロリストを英雄視し、千円札の伊藤博文に
さえ注文を付けた。日本は静かに応じ1984年図柄を夏目漱石に変更した。

　私はドラマ「黎明の瞳」の存在を黒田勝弘著「韓国 反日感情の正体」で
始めて知ったのだが、この本の筆者も同時代にこの番組を見ていた。
　このドラマが史実として国民に定着している。
　同じように映画「カクシタル」（2012年公開）も慰安婦を救出するヒーロー
物語だが。韓国メディア（韓国日報）は歴史教科書のようだと褒めたたえ
「すべての歴史のなかの"実話"という点でその意味はより一層大きい」と
ドラマのお話をすべて"実話"と認定している。元慰安婦の証言について綿密な
調査で事実確認できなかったことでも、みんなが言っていれば"実話"になる。
　閔妃暗殺を扱った映画「明成皇后」(2002年公開）も大ヒットし、今や閔妃は
国民に愛される皇后に昇格しミュージカルまで作られている。
　映画のために作られたお話が、史実にされる国の歴史認識は共有できない。

　1945年8月15日は光復節と呼ばれ戦勝記念日とされている。だが彼らが日本
軍人として共に戦い敗れた側にいたのは事実であり曲げられるものではない。
　それなのにこの日を光復節と呼ぶのは、別の深い事情がある。
　話はとてもややこしい。ややこしくして徐々に歴史を美化している。
　1948年8月15日、アメリカの差し金で登場した李承晩大統領が大韓民国の
建国を宣言している。すると光復節は建国記念日の別名かと思いきや、全く
違う。建国はもっと前だと言うのだ。その理由を筆者は憲法前文で説明する。
　1948年7月に制定された李承晩の憲法前文にはこのように書かれている。
　「悠久の歴史と伝統に輝く私たち大韓国民は己未三一運動で大韓民国を建立し、
世界に宣布した偉大な独立精神を継承し、今や民主独立国家を再建するに当たり、
正義、人道と同胞愛により民衆の団結を強固にし、すべての社会的弊害を打破し、
民主主義制度を樹立し（中略）私達の政党、また自由に選挙された代表として
構成された国会で檀紀四二八一年七月十二日に憲法を制定する」

　1987年10月、第九次改憲の後、全斗煥大統領は辞任した。ところが全斗煥の
憲法前文に、李承晩大統領時代の見解がそのまま復活しているのだ。
　「悠久の歴史と伝統に輝く私たち大韓国民は三一運動で建立された大韓民国
と不義に抵抗した四・一九民主理念を継承し、祖国の民主改革と平和的統一の
使命に立脚して正義・人道と同胞愛により民族の団結を強固にし、すべての
社会的弊習と不義を打破し（中略）一九四八年七月十二日に制定され、八回に
渡って改正された憲法を今、国会の議決を経て、国民投票によって改正する」
（1987年10月）
　つまり大韓民国は1919年3月に独立宣言を発し臨時政府に移行して存続して
いたと過去を美化し、こんな復古調の憲法前文を復活させた訳だ。
　全斗煥はこの前文を使い臨時政府を讃えて国民におもねった。

「韓国の小学校歴史教科書」は元（蒙古）の支配さえ曖昧に記述している。
　高麗は３度、元に勝利し江華島に居城を移し40年持ちこたえたが、一応元の
支配下に入り次の機会を待った。ある王様は元の人質の時に着ていた服を
脱ぎ捨て妃もそれに従ったと誇らしげに取り上げている。
　一方李舜臣の勝利は極端に面白く描く。
　李舜臣を讃えた映画「鳴梁（ミョンリャン、2014年公開）」は1700万人が
鑑賞し韓国映画市場最高の興行成績を治めたそうだ。
　臨時政府の金九は今や韓国の英雄だが、日帝時代の活動実態は定かでない。
独立軍とは名ばかりで辺境の掠奪集団の首領だったと言う人もいる。
　今の韓国は憲法前文、小学校の歴史教科書を使い、高麗時代と相似形の歴史を
日帝時代に適用している。教科書記述を簡潔にまとめると次のようになる。
　日帝時代、韓国民は一応日本の支配下に入ったが独立を宣言し、三一運動で
抵抗した。独立万歳を叫び逮捕された女学生(柳寛順）は憲兵に拷問され獄中で
死んだ。独立軍は上海で臨時政府を樹立し国家回復の機会を待った。
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　国民感情にあわせた歴史認識はどんどん真実から離れ、虚偽に近くなる。